知覚過敏って何⁇
- 2025年11月1日
- 予防歯科
秋の味覚が楽しみな季節。おいしい料理を味わうためにも、歯の健康は大切です。今回は「知覚過敏」についてご紹介します。
冷たいものを口にしたときや歯みがきのとき、「キーン」としみるような痛みを感じたことはありませんか? その症状は「知覚過敏」と呼ばれます。虫歯ではないのに痛みが出るため、気づかないうちにストレスの原因になっている方も多い症状です。
● 知覚過敏の原因とは⁇
歯の表面は「エナメル質」という硬い層で守られています。その内側には「象牙質(ぞうげしつ)」があり、さらにその中には「神経(歯髄)」があります。何らかの原因でエナメル質がすり減ったり、歯ぐきが下がって象牙質が露出したりすると、外からの刺激(冷たい・熱い・甘い・歯ブラシの摩擦など)が神経に伝わりやすくなり、痛みを感じるようになります。
主な原因には、
• 強い力でのブラッシングによる歯のすり減り
• 加齢や歯周病による歯ぐきの後退
• 酸の多い飲食物(炭酸・柑橘・酢など)による酸蝕
• 歯ぎしりや食いしばりによる歯への負担
などがあります。
● 予防と日常での対策
知覚過敏は、日々のケアで悪化を防ぐことができます。
まず、歯みがきは“やさしく”行うことが大切です。硬い毛の歯ブラシでゴシゴシ磨くと、エナメル質が削れてしまうことがあります。やわらかめのブラシで小刻みに磨くようにしましょう。
また、知覚過敏用の歯みがき粉もおすすめです。これらには「硝酸カリウム」や「乳酸アルミニウム」などの成分が含まれており、刺激の伝達をブロックしたり、象牙質の表面をコーティングして痛みをやわらげたりする効果があります。
食生活もポイントです。酸性の強い飲み物や食べ物をとった後は、すぐに歯を磨かず、うがいをして30分ほど経ってからブラッシングすると、歯が傷みにくくなります。
● 歯科医院での治療法
セルフケアで改善しない場合は、歯科医院での治療が効果的です。代表的な方法として、
• 象牙質を保護する薬剤(コーティング剤)を塗布
• フッ素塗布による歯質強化
• 詰め物や樹脂で露出部分をカバー
• 歯ぎしりが原因の場合はマウスピースの作製
などが挙げられます。
また、知覚過敏の裏に虫歯や歯周病が隠れていることもあります。痛みが続く場合は我慢せず、早めの受診が大切です。
● まとめ
知覚過敏は一時的な痛みと思われがちですが、放置すると日常生活に支障をきたすこともあります。正しい歯みがき習慣と定期的な歯科検診で、歯を守ることが一番の予防です。気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。