オーラルフレイル
- 2025年10月1日
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こんにちは、藤原歯科医院です。
突然ですが、みなさんは「オーラルフレイル」という言葉を聞いたことはありますか?
オーラルフレイルとは、オーラル(口腔)とフレイル(虚弱)を合わせた言葉で、歯や口の機能の衰えが全身の老化につながるという考えのことです。
オーラルフレイルセルフチェック
①自分の歯は何本ありますか? 0~19本の場合該当 20本以上の場合非該当
②半年前と比べて固いものが食べにくくなりましたか?
③お茶や汁物等でむせることがありますか?
④口の渇きが気になりますか?
⑤普段の会話で、言葉をはっきりと発音できないことがありますか?
5項目のうち、2項目以上に該当する場合は、オーラルフレイルに該当します。
加齢などに伴う、些細なお口まわりのトラブルのように思われるかもしれませんが、こうした状態が続くようであれば、それはお口を介した身体の衰えへと繋がります。
ではなぜ、お口の機能が衰えると全身が弱っていくのでしょうか。
まずはじめに、歯が悪くなると噛み応えのあるものが食べられなくなり柔らかい炭水化物を多く摂るようになります。
そうすると、栄養の偏りが生じてきます。
タンパク質を多く含む肉を食べないと筋力が減り体力も弱っていきます。もちろん食べる力も低下していきます。
筋力や体力が低下していくと日常的な動作にも支障をきたし、歩いたり階段を登ったりすることが困難になっていきます。
このようにして口腔内の機能が弱ると、全身も弱っていくのです。
食べることは健康の第一といっても過言ではありません。
そのため自分の歯でなんでもしっかり噛めるように口腔環境を整えてあげることが非常に大事です。
オーラルフレイルは健康と要介護状態との中間にあり可逆的です。しかし、早めに発見して適切な対応を行うことにより改善できる状態です。
そこでお家で簡単にできるトレーニングを3つをお伝えします。
1.『あいうべ体操』
あー:あ~」と声を出しながら口を大きく開いて1秒キープ
いー:「い~」と声を出しながら口を横に広げて1秒キープ
うー:「う~」と声を出しながら口をすぼめて1秒キープ
べー:「べ~」と舌を少し強めに前下に出して2~3秒キープ
お口周りの筋肉や舌の筋肉を鍛えることで、口呼吸を鼻呼吸に改善できます。さらに顔のたるみやシワの改善にもつながります。
2.『パタカラ体操』
①「パ」…唇をはじくように
②「タ」…舌先を上の前歯の裏につけるように
③「カ」…舌の奥を上顎の奥につけるように
④「ラ」…舌をまるめるように
各発音 8回を2セット行う。
舌や唇をしっかり動かして鍛えることで、摂食嚥下の機能や発声の機能を向上させることができます。
3.『唾液腺マッサージ』
①耳下腺マッサージ
指数本を耳の前(上の奥歯あたり)に当て、10回ほど円を描くようにマッサージしていく。
②顎下腺マッサージ
顎のラインの内側のくぼみ部分3~4か所を順に押していく。目安は各ポイントを5回ほど。
③舌下腺マッサージ
顎の中心あたりの柔らかい部分に両手の親指を揃えて当て、10回ほど上方向にゆっくり押し当てる。
唾液量が増えることでお口の乾燥を防ぐことができます。唾液量が増えると、食べることや飲み込むこと、会話がしやすくなります。
人生100年時代と言われているこの時代を、少しでも元気に過ごせるように、そして何よりも、食べたいものを美味しく食べれるように、お口の健康を守っていくことは非常に大切なことです。
当院でも、患者様ひとりひとりの生涯を通したお口の健康を守るため、3ヶ月毎を目安に定期的な歯科受診をお勧めしております。
検診毎にお口の中で気になる所や、なにかご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。